みなさんは健康診断を受けたことがありますか? 私はあります。
みなさんは二次検査を勧められたことはありますか? 私はあります。
みなさんは二次検査を受けに行って「何やったらいいかわからない」と帰されたことはありますか? 私はあります。
今回はそんなお話を書きたいと思います。
(※ググった情報を記載しますが、医療関係者ではないド素人調べおよび理解のため不確かです。鵜呑みにしないよう注意すると共に間違っていたら教えてください)
今回の健康診断でアウトだった項目は以下の4つです。
・視力検査
・血液検査
・脂質検査
このうち視力の低下は自覚していたので視力検査は引っかかるだろうなあと思っていました。
血液検査と脂質検査については自覚症状があったら病院に行ってね、の判定。いずれも気にするほどではないなと思ってます。特に何ともありませんし。
ヘモグロビンが基準値にギリギリ届いていなかった。
non-HDLコレステロールがちょっと低め。これは去年と同じような数字なのでそういう体質なんだろうと思ってます。
さて、残りのひとつである腫瘍マーカーが今回の主役です。腫瘍マーカーとは血液を採取して体内の腫瘍から分泌されるタンパク質を検出するもの。簡易的な位置付けのようで、ガンかどうかを判定する目安のひとつに使われるそうです。メインの検査項目ではなくオプションの検査項目ですが、私の職場では一時期ガンにかかる方が続き(職場環境とガン発症の因果関係を完全に否定しきれないよね、ということもあり)、早期発見する目的で数年前から追加実施していました。
基準値よりは確かに高いけれど、そこまでではないのでは?が第一印象。でも判定は要精密検査とのこと。えー、めんどくさーい。でも行ってこいというのだから行かねばならない。
ところで腫瘍マーカーでアウトだった場合何科に行けば良いのでしょうか?そもそもSCCって何なのでしょうか?それを調べるところからスタートです。
腫瘍マーカーのSCCに対応するガンの種類は「上皮性がん」というものが該当するようです。あまり聞き慣れません。上皮性がんとは何なのかについても調べました。上皮性がんとは上皮細胞でできるがんだそうです。代表的なものは、肺がん、乳がん、胃がん、大腸がん、子宮がん、卵巣がん、喉頭がん、咽頭がん、舌がんなど、だそうです。
つまりどこなんだ!?あっちこっちが怪しい。わからねえ!
よく分からないときはオーディエンスに頼るに限ります。すると返ってきた答えは「総合病院に行けば?」なるほど確かに。総合って看板掲げてるくらいだし、いろんなジャンルをカバーしていそうだ。
パッと思いつく最寄りの総合病院は車で15分そこそこ。古めかしいあの病院は祖母や母が入院し、自身も甲状腺がん検診(震災当時18歳以下の県民が定期的に受けるやつ)で一度お世話になりました。
調べたところ、総合案内でどういう目的で来たのかなどの相談を受け付けてくれるっぽいです。何科に行ったらいいのかも分からない自分にはちょうどいい、ここに行こう!と決めたところで「総合案内のおばちゃん、厳しいから気をつけてね」との有識者情報。門前払いの可能性が大きく浮上しましたが、せめて何科を受診すればいいのかの情報を得られるといいなと思いました。具体的な病院名を挙げてもらえれば大勝利です。
そして迎えた次の土曜日。
マスクヨシ!財布ヨシ!保険証ヨシ!長時間待たされることを想定した暇つぶしアイテムヨシ!
準備万端、レッツゴーと意気揚々と出発するも健康診断の結果表を忘れて来た道を戻る。これが無くちゃあ話ができねえ。
再出発の後にようやく到着。相変わらず駐車場が狭くてキレ散らかした。入り口の体温チェックは36.7℃で無事通過。
さあ、ここからが今日の本番、vs総合案内のおばちゃんだ。視線を向けるとおばあちゃんと話し込んでいた。後ろに並んで順番を待つ。自然と耳に入ってくるやりとりの内容。
「……ですからねえ、どこの病院でも診てもらえなくて」
「10年前にかかったというのはここの病院なんですか?」
「いいえ、違います」
「じゃあその病院に行ってください」
「でもねえ、私ももう足がこんなんで。とてもじゃないけど行けないのよ」
「他に通っている病院とか飲んでるお薬は無いんですか?」
「血液をサラサラにするやつは飲んでます。でも内科だから」
「内科でも薬をもらっているのだから相談してみてください」
「けどねえ内科だから」
「ウチにかかったこと無いんですよね」
「でもねえ脳神経外科って書いてあるじゃないの」
「まずは通っている病院に相談するのが良いと思います」
「でもねえ内科だから」
以下エンドレス。私は声を大にして叫びたい。おいやめろ!!!!総合案内のおばちゃんがいらだってんじゃんよ!!!!
私の後ろに並んだおじさんも「うわあ」という表情を浮かべています。ねえ、おばあちゃん。周囲をよく見て?
そしてそれから数分後、おばあちゃんは渋々といった様子で去って行きました。ようやく終わったという表情のおばちゃんと目が合います。すいません、次もまたちょっとめんどくさ案件です。
出来る限り簡潔に説明をしました。持参した結果表を手渡し、見てもらいます。突き返されるかと思いきやじっくり眺めています。動きが止まりました。そしておばちゃんは首を傾げました。
ええ……?思っていたのとは違うタイプの反応です。「ちょっと待ってて」と言いながらおばちゃんはどこかへ行きました。残される私と順番待ちのおじさん。気まずい。一瞬で終わると思ったのに、おじさんごめんね……。
数分後おばちゃんが戻ってきた!と思ったら「もう少し待ってて」と反対方向へ。再び訪れるおじさんと私の気まずい沈黙。
おばちゃんが帰還したのはさらに数分後のことでした。
「あのねえ、これ腫瘍マーカーをやったのよね?」
「はい」
「ここで血液検査をもう1回することはできるけど、既に2回同じような数字が出ているし変わらないと思うのよ。たぶんこの数字は間違いじゃないし」
「そうですね」
「腫瘍マーカーのSCCの精密検査って何をすればいいの?」
一般人がわかるわけないじゃないですか。返答に困ります。
「腫瘍マーカーってがんの疑いがある人が行って反応が出たら腫瘍がありますねって治療を進めるものなの。これだけ見せられてもどこに対してどう検査や治療をしていいのかわからないんです」
と、言われましても……。どうすればええんや。おばちゃんの説明はわかりました。が、要精密検査と書かれている以上、「病院行きました。何もせず帰ってきました」とは報告しづらい。だって要精密検査なんだよ?そんなこちらのお気持ちが通じたようで、おばちゃんも頑張って考えてくれます。
「こう書かれると不安になっちゃうよねえ。自覚症状とか無くて健康そのものなんでしょ?……うーん、検診を受けたところに一度電話するのはどうかしら」
「なんて聞けばいいんですか?」
「このような結果が届いたのですが、具体的にどういった方法で検査や治療を行えば良いのでしょうか、と」
なるほど。それで教えてもらえば病院へ行って聞いたままを伝えればいろいろ対応してもらえそうだ。おばちゃんにお礼を行って後にしました。
去り際に声が耳に入ってくる。
「すいませーん、紹介状あるんですがー!」
「待ってください。この男性が先に並んでいたのでそちらが優先です」
「すいませーん、紹介状あるんですがー!」
(おばちゃんガン無視)
おばちゃんも大変だなあ。そら厳しくもなるよ。
家に帰って調べてみると土曜の午前中だったら電話を受け付けてくれる模様だったのでさっそく電話をかけてみました。同じような問い合わせが来ているのでは?と思いましたが、そんな様子はなく返ってきた答えは「月曜に担当医師に確認しお電話いたします」とのこと。おとなしく待つことにしました。
休みが明けての月曜日。いつ電話がかかってくるのかソワソワしながら待ちました。30分ごとに着信を確認しにロッカーを見に行きますが全然来ません。待ってないとすぐ来るのに待つとなると全然来ないの謎。宅配とかもそうだよね。16時半で電話受付終了と記載されているのに16時を過ぎてもかかってこない電話。16時15分になってもかかってこなければいっそのことこちらから電話をしてしまおうかとも思いました。そんな不穏な気配を察したのかようやく鳴りました。
で、その内容が以下です。
「医師に確認したところ、基準値から大幅に外れているということでもないので、自覚症状があるとかでなければ気にする必要は無いようです」
「職場には何と報告したら良いですか?」
「『二次検査を受けた結果、経過観察とのこと』で良いかと」
「なるほど、わかりました」
電話を切ってその足で階下の事務所へ行き、
「かくかくしかじかで問い合わせをしたところ、『二次検査を受けた結果、経過観察とのこと』で良いかと、と言われました」
と報告しました。これには担当者も苦笑い。これにて二次検査(笑)ターンエンドです。
本格的にやるとするなら全身のPET検査くらいかなとは総合案内のおばちゃんが言っていましたが、高いし十中八九今の私には必要ないので妥当な落とし所であるとは言えるけどまさかお医者さんに会わずして済んでしまうとは思いませんでした。こんなこともあるんだね。
みなさんももし腫瘍マーカーのSCCの項目で引っかかったとしても、私みたいなパターンもあるのであまり慌てる必要は無いかもしれません。アトピー、気管支炎、喘息、皮膚の炎症がある人は高く出るらしいです。私の場合はほとんど確実にそれだなと思っていたので特に焦りはありませんでした。なんともなくて良かったです。
以上話せば3分くらいで終わると思ったのにいざ書いてみたらとても長くなってしまった健康診断二次検査のお話でした。