Kindle Unlimitedの感想

 以前からたまにKindle Unlimitedに加入しようかな、でも無駄にしちゃうかもなあと思うことがあった。Kindle Unlimitedとは月額980円(たまにキャンペーンでお安くなっていることもある)でアマゾンのKindle本のうち、KindleUnlimited読み放題対象の本が読めちゃうサービスだ。

 アマゾンのプライム会員でもPrimeReading対象作品であれば読み放題ではあるのだが、対象作品がめちゃんこ少ない。PrimeReadingで作品漁りをしていたこともあったが、読みたい作品が見つかることの方が少ない。ググったところKindleUnlimitedで読めるのは和書だけで12万冊、PrimeReadingで読めるのはトータルおよそ900冊。文字通り桁違い。見つからないのは当然って感じがする。なので、私はもっぱら青空文庫収録作品を読むのに利用していた。

 アマゾンで書籍を購入するときに、Kindle版もあるよと提示されることがある。紙版だと注文から届くまでたいてい中一日かかるのがKindle版なら即座に読める。紙媒体で欲しいものならともかく、雑誌とかであれば電子媒体でも構わないどころかむしろかさばらなくて良いし、売り切れになることもない。それはちょっと魅力的な部分であった。で、そこにKindleUnlimitedという文字を見かけると「いいな……」と思うわけである。それにPrimeReadingで作品を探しているときに読みたいなってなる作品にKindleUnlimitedと書かれているとやっぱり「いいな……」って思っちゃう。

 「いいな……」って思っても気軽に手を出すにはちょっと高いなとなって手を引っ込める経験、みなさんにもあるだろうと思う。私はそういう場合、その「いいな……」と思う回数が3回を超えたら手を出すことにしている。それだけ思うのであれば今後もそうやって悩む機会があるに決まっているし、時間の無駄だ。やって(あるいは買って)みて合わなければ今後悩まされることはないし、合ったら合ったでもっと早くに手を出しておけば良かったと思うことになる、ということを経験的に学んでいる。なので「いいな……」ポイントが貯まった今回、とうとうKindleUnlimitedに加入してみたわけだ。ちょうどキャンペーンで最初の2ヶ月間お安くなっていたし。加入したのが1月7日のことなのでまだ1ヶ月経っていないが、感想を書きたい気分なので1ヶ月試した感想を書くことにする。

 

 

 加入するかどうかを迷っていた理由は①月額の980円以上読むことができるのか、②それだけの読みたいと思う本があるのか、③読む時間が確保できるのか、④紙媒体の書籍を読むのと同じように電子書籍を楽しむことができるのか、この辺りだ。挙げてみれば結構ある。まずはそれぞれについての感想を書いていく。

 

①月額の980円以上読むことができるのか

 加入してから読んだ本の合計金額を出してみれば簡単だ。これに関してはちょっと読んだが好みにそぐわなくて最後まで読まずに止めたものも合わせる。実際本を買っても合わずに途中で止めることもあるので。1月29日現在で結果11,875円。余裕で超えました。

 

②それだけの読みたいと思う本があるのか

 前項の続きはこっちにかかると思うのでこっちに。文庫本1冊はだいたい500~800円程度のイメージ。手近な書籍を取っても686円と552円だった。なので2冊読めれば上々かなと思っていました。それと同時に2冊も読めるのか?とも思っていた。

 しかしそれは杞憂に終わった。誤算だったのは小説換算で考えていたこと。Kindle本のジャンルは多岐にわたる。雑誌もあればマンガもあるし絵本だってある。というわけで興味のおもむくままにDLして読み漁ってみれば、あれよあれよという間に冊数が増えて28冊。ここに対象外の雪国も読んだので今月読んだ冊数はプラス1の29冊。ほぼ1日1冊ペースで読んだ計算になる。笑っちゃうね。

 

③読む時間が確保できるのか

 できました。できたね。どこの時間を削ったのか。うーん。あまり無理して時間をつくった記憶がない。まあヨシ!

 

④紙媒体の書籍を読むのと同じように電子書籍を楽しむことができるのか

 これは結構自分の中で大きい問題だった。マンガや雑誌、ハウツー本みたいなものは電子版だろうとなんだろうと構わない。けれど小説となると話は違ってくる。こと小説に関してはアンチ電子媒体派の立ち位置にいるからだ。

 電子書籍の出始めの頃に小説分野で電子書籍に賛成か反対かの論争が起きたことがある。著名な小説家の方々もそれぞれ色んなところで意見を書いていた。その辺の話をすると脇道にそれていくので置いておくが、色々意見を読んだり考えたりした上でやはり紙が良いと思った。なので雪国を読んでみたのは改めて電子書籍を読んでどう思うのか確認する意味合いもあった。

 Kindleでは現在全体の何パーセントの位置にいるかと読むペースから計算した読了までの予測時間を教えてくれる。なのでおおよそどれくらいの進行度なのか分かるには分かるのだが、なんというかずっと厚みで視覚的に把握していたぶん物足りなさを感じる。しばらく読んでふと前の方でどういう風にかかれていたっけ?と戻りたくなったとき、紙であればなんとなくこれくらいの厚さだったなとアタリをつけることができたが、電子媒体になるとそれがしづらい。ページをめくってめくって高速で流し読みしながら探さねばならなかった。

 没入感はといえば、紙媒体よりは薄れるかなあと思うけれど大元がつよい力を持つ作品だったので十分入り込めた。

 電子書籍ならではの良い部分もちゃんと見つけた。本文中にリンクがついていて該当ページにすぐ飛べたり、注釈を確認できたりするところは良かった。なので慣れれば楽しめるようになるんだと思います。

 

 

 加入前に抱いていた疑問について得られた答えはこんなところ。それ以外で良かったのは、無料なのでハズレを引くのを恐れず手を出せること、実際に店頭で見かけても買うまではしないかなっていう本も気軽に読めること、思い立った時に読めること、持ち運びが楽なことなどなど結構あった。

 タブレット端末で読んでいるときであれば、アラームを設定してうっかり時間を忘れて読みふけってしまうということも防げたし、気になる箇所をスクショしておくことも可能だった。

 それから最近万年筆の詰まり防止のために小説を書き写すこともあるが、その際紙媒体だと開いたページを押さえておかないと閉じてしまう。押さえなくても作業できるのはとても大きなメリットだった。しかもKindleにはPC版もあったので、目的に応じてiPadにしたりパソコンにしたりできるのは嬉しかった。

 

 

 ということで結構楽しい電子書籍ライフを送った約1ヶ月でした。もし気になっている人がいれば参考になると嬉しいです。ならなくても読んでくれて嬉しいです。ありがとう。