台風19号あれそれ(1)

 今回の台風のあれそれ。せっかくなので記事を書いてみることにしました。

 全てまとめて1つの記事にしようかと思いましたが案外断水が長く続きそうアンド書きたいことがあとからあとから出てきたのでいくつか書くことにします。

※この記事を書いている間に市のホームページでの情報更新がありました。断水解消が見えてきたっぽいです。

 

 私の住む福島県いわき市はほぼ台風の直撃を受けない地域です。いくら強い台風だといってもこっちに到達する前に勢力が弱まっているのでテレビで西日本の方で車が川みたいなところをザブザブ通ってるの見るたびに向こうの方は大変だなあと思いながら見ていました。

 今回の台風だっておそらくですけど、市民全体がそんなに危機感抱いてなかったと思います。ネットやらテレビやらで「今回はすごいらしい」っていう情報は入ってくるので「とりあえず水買っとく…?」みたいなファッション防災対策しかしていなかった印象。台風は10月12日から13日の深夜に到達見込みで11日時点で天候が崩れ始めていましたが12日午前にスーパーに行ったときには水や保存食などはわりと残ってましたし。

 

 私自身軽く停電と断水対策をした程度です。

 19時頃くらいからエリアメールの通知が頻繁に来るようになり21時頃くらいには15分間隔で「どこそこの河川が~」という通知が来ていたように思います。

 

 最初のうちに名前が挙がる川は大雨の時にはだいたい名前の出るところなのでそんなモンだろうくらいに思っていましたがそのうちにあまり名前の出ないところや市内でも大きい川が通知されるようになりようやく「これは結構大変なことだぞ」となりました。

 とはいえ夜間のことなので実際に被害が見えてきたのは翌朝のこと。一部の地域で家の1階部分が沈むくらいまで水が流れ込み、市内の中心地も(通行できないレベルではないですが)浸水被害。甚大な被害のあった一部の地域には友人の家や私の母の職場がありネットやテレビでその地域の写真が上げられるたびに「ああー…」となっていました。

 

 さらにはその地域には市内の北部エリアを担う浄水場があります。浄水場も浸水被害を受けたのでその管轄地域は断水することになりました。これによりおよそ市内の1/3のエリアが断水しそこに我が家も含まれました。

 市の1/3ならそんなに広くないんじゃない?と思われるかもしれません。けれど我が市は平成15年までは日本で一番広い市だったので(現在は15位)、その1/3って結構広いと思います。たぶん。

 市の中心地を含む一部の断水エリアは他のエリアを担当する浄水場が供給範囲を広げてくれて2,3日で解消されましたが、それでも市内で4万5千戸以上が断水と言われています。市のホームページでは10月中の断水解消を目指すと記載されていましたが……。

 

 

 とここまでが今回の台風被害のあらましです。当記事シリーズでは今回の断水を受けて私の目線で書いていこうと思います。なので、書かれている内容については※あくまで個人の感想です、ということでよろしくお願いします。同じ地域に住んでいても状況や環境はそれぞれ違ってきますので。

 

 断水について

 断水を経験したことない方もいらっしゃるかもしれません。というか経験しないに越したことはないのですが。なんと私は3回目です。

 

 最初は2011年3月11日の東日本大震災。3月16日に千葉の親戚の家に避難したので実際に私が経験したのは5日間でしたが、水道管がいたるところで被害を受け復旧まで半月程度かかったと記憶しています。たった5日だと思うでしょう?ところがどっこいです。この話をすると長くなるので割愛します。興味があればいつでも聞いてください。やっぱり3.11も話し手によって当時の状況が違いますので。避難先で川が流れている様をみて水が汲み放題だと涙した記憶があります(地元では原発事故によりあまり外に出ないようしていたため)。蛇口をひねれば水が出るという当たり前のことに感謝して生きようと思いました。

 次が2011年4月11日。水道が復旧し喜びをかみしめている最中にやや大きめの余震が来まして再び断水。また水を求める日々が来るのか……と思いましたが数時間で復旧しました。ありがたいことです。

 で、今回。今回は水道管は無事ですが浄水場が浸水被害。最初は水が引けば大丈夫なんじゃないの?と緩く考えていましたがどうもそうじゃないらしい。3.11の時と今回とどちらが長くなるんでしょうね。

 

 断水というのは、災害が起こると同時に発生するものではありません。詳しいことは分かりませんので想像になりますが、震災の時なら地震が起きた→水道管に亀裂が入る→届かなくなる、今回なら台風が来た→河川が増水する→氾濫する→浸水してきた→機器に水が入って停止する→届かなくなる、のようにいくつかの段階を踏むので発生までのタイムラグがあります。念のために水の出る内に溜めておいて、「今回は大丈夫だったね」と流したころにストップするかもしれません。

 実際に今回の台風が最接近したのが13日午前0時頃、浄水場近くの川の上流での氾濫発生情報が流れたのが0時40分頃、あの浄水場周辺地域が浸水し始めたのは午前2時頃(不確定情報)、断水し始めたのは午前9時頃、私の家で断水を確認したのが午前11時頃、私が聞いた中では夜頃までは水道の水が出た地域がありました。浸水し始めの時間は正確かどうか怪しいですが、午前5時頃にはどっぷりでした。

 と、これくらいの時間差が発生するのでもしみなさんが災害により断水の可能性を感じた場合は、24時間くらいは溜めた水を流さない方がいいんじゃないかなと思います。

  断水したときにまずしなくてはいけないのは当面乗り切るための水の確保です。これは状況によるでしょうけど、今回の場合では断水当日午後には給水所が開設されました。震災の時には道路も各所で被害を受けたので翌日か翌々日くらいだったように思います。テレビやラジオ、市のホームページではどうしても情報が遅くなるので逐次ツイッターをチェックするのをおすすめします。断水したら「〇〇、断水した!」って誰かしら言うので。自分の家が断水する前にその情報をキャッチできれば水の確保に動き出すことができます。浴槽や空きペットボトルなど溜められるものに水を溜めて備えましょう。雨が降っているなら外にバケツを置きましょう。雨水が役に立つこともあります。スーパーに走って可能ならミネラルウォーターを買っておきたいところですが、みんな考えることは同じなのであまり希望を持たない方がいいと思います。行く価値はありますが。

 このタイミングでスーパーからミネラルウォーターが姿を消します。ついでに缶詰やカップ麺などの保存食も少なくなります。道路がダメージを受けていない限り食料に関してはそんなに困らないのですがついでに買っちゃうんでしょうね。

 これは今回の経験からなのですが、何にしても必要になった時点でほかの人も同様に必要とするし多めに確保しようとするので、お店に行く頃には目当ての物が無くなっています。

 最初にミネラルウォーターが店頭から姿を消しました。次に消えるのは、紙コップ・紙皿、割りばし、ラップなどです。お店に行ったついでに残っているか確認しましょう。ラップはお皿に敷いて使います。

 その次に消えるのはポリタンクなど貯水可能な容器です。断水したら可能な限り迅速に給水車が来てくれます。その時に必要になるのが水を入れる容器。もしそういった物を用意できなければ空きペットボトルでも十分役に立ちます。ご自宅のゴミ箱を漁ってください。特に2Lのペットボトルはとても優秀です。

 ここまでが初動で確保しておきたいものです。状況によってはまた必要な物が変わってくるかもしれません。仮に断水地域が広範囲だった場合は例えば衣類などが必要になるんじゃないかと思いました。

 東日本大震災の時は広範囲かつ道路被害も大きかったですが、あまりにも甚大な被害で尚且つ原発事故も重なったため遠方へ避難しました。それに対し今回は被害地域は広くなく、少し車を走らせれば(ややお店は品薄なものの)日常があります。なら良かったじゃん、と思われるでしょう。しかしそれはそれでまた違った苦労がありました。

 

 この時点で割と長くなったので一旦ここで切り上げます。次の記事では東日本大震災における断水の時との違いについて触れていきたいなと思います。